森の家
計画地:長野県千曲市
敷地面積:1040.00u
延床面積: 130.85u
構造・規模:木造2階建て
計画:2008年10月
古い農村集落にある広い敷地は、新たに通った県道に切り取られ、いびつな形をしていました。
「家の形はシンプルに」、「木のぬくもりが感じたい」、「敷地の一部を畑に」といった建て主の要望。これらに従って住まいを構成していくと、その姿は、自然と素朴な形となっていきます。
「素朴さと、そこから生まれる懐かしさと包容力」
そんなイメージを持った住まいが、この場所には相応しいように思えました。広い敷地特有のとりとめの無さも、そんな素朴で包容力のある住まいなら、活かせるような気がしました。
そこで、南面した居室を並べる民家的でオーソドックスなプランとしました。加えて、居場所となるコーナーをつくり、それを回遊する動線で結ぶことで、この住まいに包容力と機能性を持たせています。
配置図.不整形の敷地の南半分を畑に、北半分を宅地とした.建物を少し東側に振って、南の隣家との窮屈さを緩和している.北は駐車スペースなどサービスヤードも含む広めの裏庭
2階平面図.居室南側の連続バルコニーは約12mの長さがあり、洗面脱衣室からも使える.階段、吹き抜けに面してカウンターデスクと書棚を配置して、家族の共有するスペースとした
1階平面図.南に居間などの主要室、北に台所などサービススペースを配した明快なゾーニング.居心地の良いコーナーを持つ、つながりの良いオープンなプラン.納戸経由で玄関に抜ける裏動線も機能的
居間から南の庭を眺める.デッキテラスが庭と室内を取り結ぶ.左手は和室、右手は食堂、真ん中にペレットストーブを置いた
和室から居間、食堂方向のイメージスケッチ.右手奥が台所.オープンリビングでも、寛ぐ場所から台所が直接見えないようにプランで一工夫.根太天井で梁を現し.木の温もりを活かしたインテリア
模型写真1
模型写真3.南の大きな開口部は冬の陽射しをいっぱいに取り込む.深い軒とバルコニーは夏の日射しを遮り、雨から開口部を守る
模型写真4.プレーンな切妻屋根は、太陽熱や太陽光発電のパネル設置を配慮したかたちでもある.屋根上には子供室の天窓が見える