小船山の家
所在地:長野県千曲市
敷地面積:142.99u
延床面積: 78.95u
構造・規模:木造2階建て
竣工:2014年12月
施工:株式会社 鎌倉材木店
両親の住む住宅の隣に建てた、若夫婦のための延べ床面積24坪の小さな住宅です。
日照や駐車スペースの確保のために楔形の敷地の先端に押し込むように配置。限られたスペースの中で、落ち着きと楽しさ、伸びやかさのある住まいとすることがテーマとなりました。
1階は中庭を囲むように玄関ホールとプライベートな部屋を配置。外からの視線を遮りながら庭の緑を楽しめます。居間は2階に設けて明るく開放感のあるスペースに。広いルーフバルコニーを設けて外へ生活空間を広げています。さらに台所にもつないで回遊する動線をつくりました。行き止まりが無いプランは、使い易さと共に、小さな家でも狭さを感じさせない工夫です。
前面道路南東側からの全景.楔形の敷地の先端(南側)に建てた24坪の小さな住宅.この住宅の背後(北側)に両親の暮らす母屋があり、間の前庭から其々にアプローチする.思いのほか車の行き来の多い道路、裏手の墓地に挟まれたこの場所で、落ち着きがあり、楽しさもある住まいになるように工夫した
前面道路からの北側外観.前庭を挟んで手前が母屋の庭.跳ね出しの下が玄関ポーチ.母屋との間はアプローチと予備の駐車スペースを兼ねた前庭になっている.奥に2台分のカーポート
東側の遠景.小さな1階に片流れ屋根の2階が跳ね出しで載っている特徴的な外観.外壁は1階は唐松板、2階は左官の白壁
階段を2階から見下ろす.階段の踏板はカバザクラ、床のフローリングはヒノキ.窓の向こうにウッドデッキと中庭
2階の居間、南を見る.通りを見下ろす南側の窓辺に食卓.右手のカウンターの奥が台所.屋根の形なりの傾斜天井は杉縁甲板、壁は珪藻土塗り材
居間の北側には和室.居間の床から400mm高い小上がりになっている.床下は引き出し収納.太鼓襖の鴨居上部は欄間を無くしてひとつながりの天井にした
ベンチの付いたルーフバルコニー.デッキ材はセランガンバツ.2階の生活空間が伸びやかになるように庭代わりの広めの屋外スペースを設けた.向こうに見えるテラス戸は台所の出入口
階段の途中から中庭を見下ろす
食卓まわり.家具は建て主が見つけてきた北欧ビンテージ家具.ペンダント照明はピンクのPH5で優しい雰囲気.南側は通りを見通す窓.東側は山を眺める窓
台所を南から見る.テラス戸の向こうはバルコニー
脱衣洗濯室から浴室と中庭を見る.浴室はハーフユニットバスで壁と天井はヒノキ板張り.中庭には濡縁があって寝室につながっている
南西からの全景.高さも抑えてコンパクトに作っているのが人物との対比でわかる
玄関ホールの一角、踏込みからは見えない位置に洗面台.パネルヒーターも目隠しになっている.見えている二つの引戸はウォークインクローゼットと寝室の入り口
寝室東側のウォークインクローゼット.道路側の開口を無くして音を遮る寝室のバッファゾーンでもある
寝室も中庭に面している.造り付けの本棚とカウンター.右手に見えるのはべッドのヘッドボード.背もたれと収納を兼ねたオリジナル
中庭の夕景.寝室から脱衣と浴室方向を見る.主木は株立ちのアオダモ
2階の夕景、和室北から南方向を見る.窓の向こうはルーフバルコニー.2階の天井は屋根の勾配なりの傾斜天井.居間から和室へ南北に長く一枚につなげて視覚的な広がりを作る
北側からの夜景
玄関まわりの夕景
基本設計の模型.北側外観
基本設計の模型.南からの俯瞰